番組審議会概要

富山テレビでは、放送番組の適正を図るため番組審議会を置き、番組等に関して委員の意見をお聞きしています。 また、「BBTスクランブル」(今月は最終日曜あさ5:10~5:20)内で、番組審議会の様子をお伝えしています。


今回の審議番組 (令和元年12月12日開催)

令和元年11月30日(土)16時15分~17時10分 放送

「国に抗った男~川崎磯信は何と戦ったのか~」


現代農業の活性化には、今何が必要か。「国に抗った男」は今から30年近く前、コメの販売で公然と法律を違反し、自らを告発するよう国に求めた富山市の農家・川崎磯信さんの異例で異色の足跡を振り返り、その思いをまとめた番組です。 1980年代から90年代にかけ、コメの流通は全て国が管理するという制度が戦時中から続いていましたが川崎さんは農協などを通した国が認める正規ルートではなく、自分で作ったコメや農家から買ったコメを直接消費者に届けていました。当時、国の流通ルートを通さないコメは法律違反の販売方法で、「ヤミ米」と呼ばれていました。しかし公然と「ヤミ米」を売っていた川崎さんのところには、国が認めた正規業者からもコメが流れてくるようになります。川崎さんは、制度が形骸化しているとして、自らの告発を求め、裁判という公の場で、ずさんなコメ行政の実態を明らかにするという行動に出ます。その後、川崎さんの裁判が行われている最中に、制度の廃止は決まります。 番組は、戦後の食糧難の時代に全身全霊でコメ作りをしていた1農業者が国に不信感を抱き、ついには抗うことになった背景を追いました。


出席委員(敬称略)

委員長 :野原一司
副委員長:伊東潤一郎
委員  :浅野端・岡本有紀子・加古佳子・長田拓哉・松田英昭・水野弘一(レポート)


欠席委員(敬称略)

可西晴香


BBT出席者

中西代表取締役社長・前田代表取締役副社長・飯野常務取締役業務局長・奥田常務取締役報道制作局長・四津谷報道制作局次長・羽根ディレクター・蟹谷番組審議会事務局長


感 想

  • 時系列で丁寧につないであり、わかりやすかった。
  • 主人公の川崎さんの言葉が心に響いた。
  • 農業の大切さを改めて伝えてもらえたのがよかった。
  • かつての取材の様子も見ることができ、権力に対するチェックという意味でのマスメディアの大切さについて改めて考えさせられた。
  • 深津アナの抑制の効いた語りが聞きやすく、効果的だった。

意 見

  • このタイミングでこの番組を制作・放送したのはどうしてなのか。
  • 日本は食糧自給率が極めて低いこと、今後の日本の農業の進むべき道など、番組としての問題提起があってもよかったのではないか。
  • 当時と現在だけだったが、公判後の20数年の動きも紹介してほしかった。
  • 食管法が廃止されたのに、本人が寂しそうだったのはなぜだったのかなど、まとめが消化不良な感じがした。
  • 過去の映像の部分で、富山出身者でも聞き取れない富山弁がたくさんあったので、字幕フォローがあった方がよかった。