番組審議会概要

富山テレビでは、放送番組の適正を図るために番組審議会を置き、番組等に関して委員のご意見をお聞きしています。また、「BBTスクランブル」(今月は28日(日)あさ5:05~5:15)内で、番組審議会の様子をお伝えしています。


今回の審議番組 (令和7年9月11日開催)

「ライブBBTスペシャル「戦後80年 語り継ぐ責任」」

令和7年8月15日(金)午後3時50分~午後4時50分


戦争の記憶を次の時代へ繋いでいく「戦後80年-つなぐ-」プロジェクトの一連で制作した番組です。 射水市出身の小島貴雄さんは、被爆二世として父の被爆体験を語り継いでいます。父・六雄さんが広島での経験を初めて語ったのは94歳を過ぎてからでした。被爆二世として、小島さんは若い世代へと戦争の記憶をつなぐ責任を感じています。
富山市に住む西田亜希代さんは、富山大空襲の語り部である父・進さんの記憶を継承する、二世の語り部です。高齢となり入退院を繰り返す進さんに寄り添い、そばでその言葉に耳を傾けてきました。戦争を知らない二世だからこそ、体験した人が悲しみを乗り越えて表現した言葉を大切にしています。そして富山大空襲の記憶は二世から三世へと語り継がれようとしています。


出席委員(敬称略)

委員長

:松田英昭

副委員長

:岡本有紀子・加古佳子

委員

:石﨑大善・河上めぐみ・髙野吉寿・山本善裕・藤井公嗣・塚本明


BBT出席者

細川代表取締役社長・滝澤代表取締役副社長・砂原報道制作局長・福島報道制作部専任部長・坂爪ディレクター・伊藤編成部副部長・蟹谷編成局長兼番組審議会事務局長


感想

  • 戦争体験者が減少しているという問題提起にとどまらず、語り継ぐことをまさに実行している方々にフォーカスすることで、見ごたえのあるメッセージ性の高い番組だった。
  • 子供の頃、祖父母に戦争について聞いた時、辛い体験を話すのを拒まれた経験がある。そんな辛い体験談を継承されていることに敬服するし、いかに貴重か感じながら視聴した。
  • 最後のりんご飴をなめながら花火を見るシーンは、ホッとするとともに、こういう平和な時代は続くことが普通のこと、そして活動しているのが普通の高校生だよ、という風に感じられ、よかった。
  • 3世にあたる若い世代のディレクターがこの番組を制作した点も非常に有意義なことだった。
  • 活動が素晴らしいだけに、見終わった主人公との距離を感じた。興味を持った視聴者が参加できる場が紹介されるとか、間になごむ場面があったりすると距離感が近くなったかもと感じた。

意見

  • 戦後80年に関する事業がいろんなところで行われているが、こういうイベントとタイアップして放送するなど、面として活動をするとより効果的なのではと思った。
  • 戦争の悲しい、深刻、苦しみ、残酷、は伝わって来るけれど、最後に見終わった後に、視聴者にこうなって欲しい、という想いが伝わるとよかった。
  • 「語り継ぐ責任」というタイトルだが、視聴者的には「責任」とまで言われると共感できないのではと感じ、「語り継ぐことが大切」というメッセージを伝えるのが適当かと思った。一方でメディアとして伝える「責任」というテーマを持つことには共感できる。
  • こんな人がいるとか、こんな団体があるということだけではなく、どんな活動をしているとか、連絡、参加できる情報などがあるとよかった。
  • 伝える側の視線を放送することに意義はあるが、高校生など受け取った側の言葉などがもう少し紹介されていてもよかったのでは。「伝えること」の先にある「伝わること」の大切さにももっと光が当たったのではないかと思った。
  • 伝え継ぐ人は少なくなるが、こういった取材をしてアーカイブとして後世に伝え繋いでいくことがテレビ局としてやるべきことと感じた。
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