木地 智美 kiji tomomi
2019/06/26
バタフライ効果
バタフライ効果、という言葉、聞いたことありますか?
気象学者・エドワードローレンツの
「ブラジルの一羽の蝶の羽ばたきが、テキサスでトルネードを引き起こす」
という言葉があります。
ここから、ちょっと難しい話を書きます。
しばしお付き合いを…
自然現象は、時間と共に状態を替えていきます。
はじめは蝶の羽ばたきのような小さな変化が、
ゆくゆくはトルネードを引き起こすほどの大きな現象につながることがある…ということ。
実際にブラジルの蝶がテキサスでトルネードを引き起こすことはないようですが、
これがバタフライ効果です。
現代の天気予報は、スーパーコンピュータのシミュレーションによる数値予報。
世界中の観測値を元に計算して、未来の天気を導き出します。
ただし、観測値には必ず小さな誤差が生まれてしまうんです。
蝶の羽ばたきほどの誤差。
その誤差の影響が次第に大きくなるため、先の予報ほどズレが生まれやすく、
確度が下がってしまうんです。
予報精度を改善するために、観測値をわざと少しずらして複数の計算を行い、
それらを平均する、アンサンブル予報という手法も使われています。
空模様は心模様。
天気は人生に通ずる、というのが私のモットー。
気象におけるバタフライ効果は、少し厄介なものですが、
人生における蝶の羽ばたきはプラスの効果につながることだってあります。
小さなきっかけや、勇気を持って踏み出した一歩によって、
人生が大きく変わるかもしれない。
そう考えると、今日の一歩がとても大切に思えてくる。
人生におけるバタフライ効果を信じて、小さな一歩、踏み出してみませんか?
という、気象予報士のつぶやきでした。