番組審議会

富山テレビでは、放送番組の適正を図るため番組審議会を置き、番組等に関して委員の意見をお聞きしています。
また、「BBTスクランブル」(7月は25日土曜日あさ4:20~4:30)内で、番組審議会の様子をお伝えしています。

今回の審議番組 (7月9日開催)

・平成27年5月27日(金)24時35分~25時35分
「遺骨のゆくえ ~孤立社会の道しるべ~

「行き場を亡くした遺骨」が全国各地から宅配便で集まる寺があります。
高岡市に500年以上の歴史を持つ、日蓮宗の古刹、大法寺。2006年に合祀墓を建立すると、それがインターネットで話題になり、身寄りのない無縁の遺骨を埋葬してほしいと全国各地から依頼が舞い込むようになりました。
住職の栗原啓允さんは行き場のない遺骨があるのならば、それを引き受け供養することで、故人も遺骨を送らざるを得なかった関係者も救われるのではないか…と考え、地元の有志とともに、無縁の遺骨を供養するNPO法人「道しるべの会」を立ち上げました。

栗原住職はじめ、会のメンバーは活動を続けるなか、生きているうちに社会との関係性を作ることが大切なのではないかと生前の見守りや、身元引受人になることにも乗り出します。富山県内でも会に加入し、支援やアドバイスを受ける事によって、独り身の生活の不安から解放された高齢者が少なくありません。
栗原住職は言います。「無縁社会とは、血縁がなくなったことをさすのではない。血縁はなくともあらたな社会の縁を構築することがこの時代必要なのでないか?」と…。

出席委員

委員:野原 一司、伊東 潤一郎・浅野 端・岡本 倫子・園 博昭・松田 英昭
※敬称略

BBT出席者

中西社長・前田専務・滝澤取締役業務局長・飯野取締役報道制作局長・寺崎制作部プロデューサー・砂原番組審議会事務局長

《感想》
・超高齢化や核家族化など日本が抱える課題の断面を描いた優れた番組だった。
・番組の冒頭にあったように、身寄りの無い故人の遺骨が段ボール箱で送られてくる様子に驚かされた。
・栗原住職が全国から送られてくる無縁の遺骨を受け入れている事に感銘を受けた。
・高齢の単身世帯の増加や、認知症と診断される高齢者の増加など、無縁社会が拡大する背景をわかりやすく説明していた。
・栗原住職やNPO法人「道しるべの会」が様々な努力をしている事は伝わってきたが、行政はどう関わっているのか疑問を持った。
・「道しるべの会」の取り計らいでグループホームに入所し、ひとり暮らしの不安から解放された高齢女性の笑顔が印象的だった。
・死を迎える事や、家族、幸せについて改めて考えるきっかけを与えてくれる番組だった。

《意見》
・全体的にナレーションが少なかった。もう少し説明すべきところに時間をとれば、制作者の意図が伝わったのではないか。
・全国から届いた遺骨がどのように供養され、その先がどうなるのか、手順についてもう少し説明しても良かった。
・お寺と「道しるべの会」との関係について説明が足りないと感じた。どんな経緯で会が設立されたのかなどがわかりにくかった。
・番組の構成で、急に住職の生い立ちの話になったりと、展開の狙いがよくわからなかった。
・番組は前半の方が重い展開だったが、後半はやや流している印象をうけた。
・非常に良いテーマを扱っている番組だった。