アナウンサー・キャスター / 吉村 尚郎 / BLOG

富山県民でよかった~!

今年もこの季節がきましたね、私も県内行事の中で一番楽しみにしているお祭り「八尾おわら風の盆」です。
私が初めておわらを見たのは4年前。故郷福岡県をはなれ富山県に来た年でした。恥ずかしながら、それこそおわらという名さえも聞いたことがなく、どんなお祭りなのかも知らずに八尾へと向かいました。

深夜1時-。車中思い描いていたのは、福岡県の「博多やまかさ」のようなお祭り、ふんどし姿で山車を引き、男衆の勇ましい声が町に響き渡る。確かに露店もあれば人も多い、お祭りには間違いないとはいうものの、いつになっても勇ましい声・山車は見当たらない。むしろ提灯の薄明かりに照らされ肩を寄せ合うように建つ家並が、静けさをかもし出していました。

歩みを進め次第に耳に届く柔らかい鼓弓の音色-。
導かれるようにふと裏路地へ・・・。何かを取り囲むようにできた人だかり・・。覗き込んだ私はいうまでもなく唖然、言葉を失いました。これまでおわらに触れることができなかった悔しさ、行き場のない羨ましさといった、複雑なおもいが、波のように押し寄せてきた感覚を、今でも克明に憶えています。

その後、いうまでもなく「おわら」のとりこに・・・。

県外の友人、知人に会う度に開口一番、おわらの自慢ばかり・・・見せてあげたい!!!

鼓弓の哀愁漂う音色が坂の町を包み込み・・・。
涼しげな揃いの浴衣に、編笠の間から少し顔を覗かせたその姿は、実に幻想的で優美。日本、いやっ世界に誇れるお祭りですよ!つくづく富山県民でよかったな~と思う瞬間です。

立山登山マラニック!

富山湾浜黒崎の海抜0メートルから、立山・雄山山頂まで標高差3003メートル。距離にして65キロを走り抜く、まさに鉄人レースそれが「立山登山マラニック」です。 今年はウォークの部(立山駅~山頂を歩く)と合わせ県内外から254人が出場。なんと最高齢の方で70歳!
「登山」・「マラソン」・「ピクニック」が融合したそんなマラニックに今年私も参加させていただきました。もちろん目標は山頂・・・。

AM 4:00 ~スタート~
松明を持った松原委員長を先頭にいよいよスタート
長いマラニックが始まりました。不安と期待を胸に・・。

AM 4:30 朝日が顔出す前―。
月明かりで薄く照らされた、常願寺川の堤防を懐中電灯を片手に走ります。

一部舗装されていない道、第一給水所の雄山神社まで20キロ!!

ここまでは、比較的平坦な道のり。練習の成果もあって予定していた時間よりも早く到着!ボランティアの方の「がんばれ~」という声に後押しされ第二給水所、38キロ地点のの立山駅に到着。

ですが、何度も何度も続くアップダウンの道。既に膝はガクガク・・しかしそんな事を吹き飛ばす嬉しいことが。

加藤さん、毛利さんなどYouドキッ!スタッフが応援に来てくれたのです。しかも、スタッフの一人一人のメッセージが書き込まれたタオルを持って!
(ここまで、孤独な走りが続いていたため、恥ずかしい話みんなの顔を見たときは安心感とともに涙があふれ出ました。)

AM 10:30 45キロ地点~八郎坂~
タオルを肩に・・。いざっ!マラニック最大の難所八郎坂へ。

不思議な事に、どんなに辛くても「頑張れる」。そんな気持ちが動かなくなった足を前に前に進めてくれました。

険しい山道、そしてぬかるんだ岩場―。

「激しい痛み」が既に限界に近い足腰に容赦なく襲い掛かってきました。

PM 1:00 52キロ地点~弥陀が原~
スタートしてから、ここまで9時間。山頂を目標にしていたものの自分でも信じられない場所まで・・ゴールまで残り10キロ!!

ここまで、何度も何度も脳裏をよぎってきた、「限界・・諦め・・」の言葉。
しかし、その度に気持ちを強くさせてもらったのが、一緒に走る選手とのたわいのない会話と激励、また沿道からの暖かい声援、そして給水所や各ポイントで選手を迎えてくれるスタッフの方々の励ましでした。何日も前から、参加者の為に準備を進め、当日は疲れ果てた選手を包み込むような笑顔で迎えてくれる。

「自然に触れ、人に触れ、自分と向き合う」

一度走ると病みつきになるという・・・立山登山マラニックの素晴らしさを感じました。
強い気持ちとは裏腹に、押し寄せる激しい痛み!足の感覚はなく腰・首と全身にその痛みは走り、ほとんど覚えていない状況。
気づけば、リタイアしたランナーを除き、私が最終ランナーに・・ただひたすら雄大な自然と、沿道に白い小さな花が咲いていたことは憶えています。

そしてー。

PM 3:30 60.8キロ~室堂~
室堂まであと500メートル。意識も殆どない中、微かに聞こえる「ヨッシーがんばれっ!」の声―。
ふと顔を上げると室堂に多くの人影が・・・、松原委員長をはじめとする大会スタッフ、ボランティアの方々が、暖かい拍手とともに迎えてくれました。
心のそこから込み上げる嬉しさ・・そして達成感。

周囲の方々の協力、支えなくしては決して得る事の出来なかったこの思い、この場をかりてあらためて 「本当にありがとうございました。」

P.S.
室堂でいただいたお粥が本当に本当においしかった。

■記録
PM3:03 室堂 (60.8km地点・標高2450m)
走行時間11時間

Profile

吉村 尚郎 yoshimura takao

プロフィールを見る

Calendar

2005年9月
     
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
ページの先頭へ